自国の英雄

■反権力は正義か
尖閣を巡る対中問題は核心の事件動画が、突如として一般の目に触れることになり、今まさに流出の当事者として、また管轄は違えど事件の主役のひとつでもある海保官員から、さらにネットという大きなそして自由なメディアから発信されたのは、色々考えさせられる事件だと思います。
ニュース報道やネットでは、流出させた海保官員を英雄視する、または肯定的な意見が多いようで、自分も概ね賛同はします。
内部告発は権力者が隠ぺいしようとする不利な証拠を告発することで、社会正義は守られているのだと思いますが、今回のは内部告発でしょうか。
一部の議員に編集されたわずかな映像を公開、しかしそれも当事者(中国側の船長)のいない場でという報道が流れて、海保官員の映像流出は、心情的には闇に葬られそうな海保は悪くないという確たる証拠が公にならないもどかしさからの行動だとは思うが、上段の内部告発とは似て非なる犯罪行為であるのは間違いないだろう。
間違った行動とは思わないが、正しい行動だったとも思わない。
それはその情報を見ることが出来る者のサジ加減(個人の物の見方の尺度)で、どんな事態にでも転ぶからだ。
結果、日本人であの映像を見た者であれば、海保の行動は正しい、非は中国側の漁船だと疑う者はいないはず。
がいかんせん遅すぎた。
海保官員の行動は確かに良い面も出してくれただろうが、実際は政府の無能ぶりと政権の軟弱さをさらに浮彫にし、また「国家公務員」という人たちの資質を問うことに発展しそうな感じもある。
この映像は事件発生時にすでに話には上がっていた物だっただけに、この映像をもって毅然とした国家の姿勢を見えていればと、つくづく残念であり、現政権に更なる失望感を感じます。
一個人として一向に公にならない決定的な証拠を前に、海保官員だったらどんな思いで議員や官房長官、首相の話をメディアを通して聞いて見ていたのだろうか。
耐えて考え抜いた行動だったのだろうけど、やはり時が流れ過ぎたのは痛いと思う。
願わくば、勇気ある行動には賛辞を贈るが、今後の日本の行く末に不安が募ります。

注:決して事なかれ主義ではないのですが、大阪地検の改ざんといい今回の流出事件(もしくは映像公開牛歩戦術)といい、国家・個人の情報を扱う人たちの尺度で動かされていることに改めて怖くなります。
2010/11/10(Wed) 23:53:07 | 雑言
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