被災地へ

■少しでも支援を
内陸に住む自分は、現在は家はもちろん電気・燃料・食糧もほぼ普段に戻りつつあるので、生活水準だけでいえば被災地にかぎりなく近い首都圏みたいな、沿岸部の方々と比べればやや心苦しい生活を送っています。
まあ本来普通の生活に戻れることが出来ることは喜ぶべきなのですが、避難されている方に知っている人がいると、遅まきながら自己の生活が送れることで心の余裕が出来、やっと動くことが出来たという感じなので、大分遅くなってしまいましたがお見舞いと少しばかりの支援を兼ねて様子を見てきました。
道路は大分路肩の瓦礫も片付かれてきて運転に支障もなくなってきましたが、いまだ目に飛び込んでくるのは瓦礫の山、というよりも一面瓦礫といった現状がまだ続いています。
道中、路肩に車を止めて周りを見ている人、写真・ビデオを撮る人が結構います。
自分と同じように直接被害のない内陸部からの見学かと思われますが、被災者を思えば無用な移動や交通の妨げになるような行動は、まだ「震災中」ですので控えておいた方がいいと思う反面、テレビでは分からない現実をちゃんと見ておいた方がいいと思う自分もいます。後者の考えは直接被害のない者が思いつく考察なので、被災された方にとっては自分の住んでいた場所を面白半分に見られることは好ましくないと思う気持ちも分かるのですが、中には自分もそうですけど、小さい頃から来ていた夏の思い出の場所の変わり様は目に焼き付けておきたい、一目見ておきたいという心情もあることから、観光や冷やかしでは来ている人はいないと思いたいです。同じ県人・東北人として傷みを分かちあいたいと個人的にはそう思っています。
ほんと、物心ついた頃から毎年のように来ていた海水浴場が姿を消し、思い出の建物もない風景は地元の方にも悲劇でしょうけど、そこで思い出を作ってきた者としても悲劇でしかなく、地元の方には全てが色んな感情が混じった悲劇の場所でしょうけど、所々の何かしらあった場所は小さいながらも大切な思い出を作ってきた地元でない者が現実を直視させてもらってもいいのかなと、指を差しながら何もない海岸沿いで何かしら話している家族の姿が印象的でした。
そんな光景と行けども瓦礫が連なる沿岸沿いを進み、約一ヶ月振りに知り合いと合ったのですが、思いのほか元気そうで、なぜか自然と交わした握手は力強かったです。
小一時間ばかり話しをしてきたのですが、やはり地元の人が語る異常なまでの災害、でも小さい頃から身についていた沿岸に住む人ならではの防災意識や海を見ての判断など、確かに想定外の災害だったのでしょうが、内陸の人間に比べたら格段に意識は高かったようです。
ただ近年津波警報と言っても数十cmの海面変化だったので、津波への恐怖が薄らいでいたのは事実だったようです。
また道中野次馬らしき人が結構居たことについても、この方はテレビより現実を見れるのであれば見ておいた方がいいという考えのようでした。自分もそうですが、見てその場の匂いや空気を感じることが、テレビで見ることより格段に事の深刻さをまさに瓦礫類が物語っているからです。まあみんながみんな野次馬らしき人は歓迎しないでしょう。ただ内陸の人間もこの目で現実を見て感じて動くべきなんじゃないかなと実感してきました。
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潮の匂いと目の前に光景にただ立ち尽くすのみ。
復興が簡単ではないのは多分みんな分かっていると思うんだけど、気持ちの持続が今後の課題なんだと思う。
内陸の人間の自分はこの光景だけでも十分折れそうだ。
沿岸地域の方々の粘り強さにただ感服するのみ。
2011/04/20(Wed) 23:38:46 | 雑言
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